(株)英語セミナー 創業者
橋本 正明
1945年 | 山形県酒田市生まれ 山形県立酒田東高校卒業、早稲田大学政経学部卒業、英国立エセックス大学院留学 |
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1985年 | 東京都江戸川区に英検セミナー(現:英語セミナー)を開校 |
1986年 | 株式会社英検セミナー(現:英語セミナー)を設立 代表取締役社長に就任 |
2012年 | 会長に就任 |
2022年 | 77年の生涯に幕 |
インタビュアー
代表取締役 社長
早川 賢治
※このインタビューは2020年5月のものです。
こんにちは、社長の早川賢治です。会社案内はどうしても固くなりがちなので、英語セミナーの会社案内はやわらかくて面白いものにします。創業者の橋本先生にインタビューをしますから、それを載せて会社案内の一部とします。よろしくお願いします。
こちらこそよろしくお願いします。確かに固い会社案内がおおいですね(笑)。私のインタビューを載せるのはグッドアイディアだと思いますよ。私は従業員の召使のようなものですから、命令とあらば何でも話しますよ。ただし、私の銀行の暗証番号だけはカンベンしてください(笑)。
まずはじめに橋本先生の経歴のようなものを聞きたいのですが…。
私は第二次世界大戦の終わった1945年(昭和20年)に山形県酒田市に生まれました。父も母も同郷で当時としては珍しい恋愛結婚だったようです(笑)。父は今の国立東京工業大学を出て三菱重工で戦艦の設計技師をしていたときに海軍に召集されました。中国航路の輸送船を護衛する駆逐艦に乗船しているときに肺結核になりました。当時は肺結核は死の病でした。幸いなことに船だったので日本に着いて東京郊外の清瀬の国立結核病院に入院しました。母の実家で産まれたばかりの私に会うために、密かに病院を抜け出して一度だけ私に会いに来たそうです。そして私が2才のときに戦病死して靖国神社にまつられています。だから私は父に一度しか会っていません。母は戦後に女手ひとつで苦労の連続でした。私は高校のときから大学卒業まで2~3種類の奨学金を同時にもらって凄く助かりました。高校時代はサッカー部でキャプテンでした。朝から晩までサッカーに夢中で勉強はしませんでした(笑)。だから、当然のように浪人。東京に出てきて新聞配達店に住み込みしながら、予備校通い。働きながらの勉強で時間不足だったので英国社の3科目だけをやりました。英語は大の不得意科目だったので(笑)、勉強時間の8割は英語にあてました。夜食の時間がおしくて、安いインスタントラーメンを袋のままつぶしてポリポリ食べてからお湯をのむ技を編み出しました。3分節約すれば英単語はかなり覚えられますよ(笑)。私立文系は英語の配点が高いので英語だけは必死にやりました。一年浪人して早稲田大学政経学部政治学科に入学。浪人中、お金のことはなんとかなると思ってました。事実、入学金は親戚一同からのご祝儀でお釣りがきましたし、生活費も奨学金・学生寮・塾講師・家庭教師などのアルバイトでなんとかなりました。大学時代も勉強はしませんでした(笑)。教師の定例アルバイトと臨時収入のほしいときは浅草ちかくの日雇い労働者の街「山谷」に住み込んで肉体労働アルバイトをしました。ゼミ論の一つは日雇い労働者研究でフイールドワークが活きました(笑)。指導教授に「現場がわかっている」とへんな誉められかたをしました(笑)。大学卒業後は政治学で高名な教授のいるイギリスの国立エセックス大学院に私費留学しました。やはりお金のことはなんとかなると思ってました。出発前に、友人・知人・親戚に挨拶状をばらまくとシベリヤ経由片道切符代を大きく超えるご祝儀があつまりました。イギリスでの学費や生活費は塾経営と家庭教師でした。ロンドンで土曜日だけの日本人児童用塾を2~3人の日本人留学生をやとって経営しました。当時の子供たちは月曜日から金曜日までイギリス人の学校に通っていたので、保護者の要望は日本に帰ってからの受験競争に負けないように、なんと「日本式の九九を教えてほしい」が圧倒的。子供たちの質問は「なんで、日本は九九81までしか覚えなくてイイの?」。イギリス式は12進法のダースの考え方が基本にあり、12×12=144まで暗記しなければならない(笑)。日本人は恵まれています。じつは、英語セミナーの電話番号が掛け算なのは、当時のなごりです(笑)。塾の翌日の日曜日は朝から晩まで、おもに日本人中学生の家庭教師を掛け持ちしました。英語も教えましたよ(笑)。日本に帰国して直面する高校受験英語の希望が多かったのです。特徴的だったのは英文法の弱さでした。I my me mine も知らないのです。説明すると目を輝かせて「だから・・・・なのか」と感動してくれました。もともと英語のシャワーにいる子供たちですから、英文法の理解もはやく短期間で一流校の英語を征服してくれました。話は脱線しますが、これからの時代は英会話より英文法が重要です。国際電話の時代からインターネットとメールの時代になりましたから、文字としての英語力が大切になります。月曜日から金曜日は大学院の学生寮にもどりましたが、やはり勉強はしませんでした(笑)。
留学してて、一番困ったことはなんでしたか。英語は大丈夫でしたか。
始めは英語には苦労しました。しかし、はじめて英語で夢を見たころからなんとかなりました。先生の英語の質問に私が日本語で答えてる変な場面でした。先生は日本語がわからないのに(笑)。日本の大学入試の勉強が役に立ちました。各国の留学生と話してみて、日本の伝統的な文法英語は世界的にもレベルは高いとおもいました。日本の辞書はとくに凄いレベルにあります。ところが今の生徒は辞書をひきません。教科書の裏に単語リストがあるからです。これは文部科学省のミスです。単語リストは削除して、生徒が自分の力で辞書をひくようにしないと日本人の英語力はどんどん落ちてしまいます。一番困ったのは英語ではなく、「みみかき」でした。綿棒しか売ってなくて・・・。これだけは日本から送ってもらいました。「怒涛こえ 大海原を 乗り越えて 必死の叫び みみかき送れ」と手紙に書いたら、40本も送ってきた(爆笑)。日本人の友人・知人に配ったらおお受けでした。
日本にもどってきたのは、いつごろでしたか。
二年間大学院にいてすぐ戻るつもりだったのですが、塾経営と家庭教師で働いたお金でヨーロッパ各国を見てるうちに旅行ぐせがついてしまい、中近東に飛びイスラエルでキブツ農業を体験したりアラビアの砂漠地帯で野宿をしたりしながら、陸路でアフガニスタンを通ってインドまでたどり着いたところでついにお金が尽きてしまった(笑)。最後に残った虎の子の12ルピー(約360円)のうち9ルピーでヒンズー教のお坊さんの黄色い服を買い、ヨガの行者に変身。日本からの送金がくるまで生き延びることにした。インドの銀行からお金を受け取ったのは6ヶ月後。インドは外貨不足でわざと渡さない常識は後で知った。この間ヒンズー教寺院で修行しながら食いつないだり、世界一貧乏なインドの最下層の人々に恵んでもらったりしていました(笑)。東南アジア経由で帰国したのは出発から5年後で、3度死にかけた30カ国の旅でした。 この旅の様子は学生時代にいた学生寮で講演依頼されて話した内容を3度死にかけた若き日の世界連邦の旅にまとめています。旅をしながらの思索の結果は「宗教はすべて迷信だ」というものです。ですから宗教の真面目な信者の方は読むとショックを受けます。長文ですが、最後にコメント用アドレスがあります。何でも送ってください。
→ 3度死にかけた若き日の世界連邦の旅 橋本 正明
すごい経験ですね。よく生きて帰れましたね。それから英語セミナーを作るまではどうしていたのですか。
東京の進学塾の英語時間講師から英語専任講師になり教室長をしました。教室長は算数・数学科でないとダメのようなジンクスがあったので、がんばりました。中学受験生と高校受験生の2つの受験生がいるので合格実績を出すために、休日は年に2~3日。教室に泊り込みも多かったので、旅行時代の寝袋が役立ちました(笑)。時間がないのでお見合結婚して、子供が生まれた始めてのお正月の日のことでした。正月特訓のため家を出ようとした私の背中に赤ちゃんを抱いた妻が一言。「お正月ぐらい休めたらいいのに…」。お正月を休むために英語だけの塾を作る決意をして、1985年4月に独立して英語セミナーを作りました。東京都江戸川区の東京メトロ東西線西葛西駅ちかくのアパートの一室で七坪半でした。小6から中3対象の英語専門塾で生徒24名教師1名のスタートでした。英語セミナーのコンセプトは『英検®合格をステップに一流校に合格・内部進学させる英語授業』で文法重視です。設立当初より英検®合格・内申アップ・一流校進学の三位一体を目標の英語授業です。始めの二年間は教師は私ひとりでしたが、生徒の増加にともなって着実に教師も校舎も増えてきました。小中部の集団英語授業部だけから、1992年に1対2の個別英語指導部を第二事業部としてたちあげました。今の日本の英語教育は文法軽視で暗記中心に流れていますが、これでは応用の力はつきません。効率的に英語を学ぶには先哲たちが心血を注いだ文法を利用するほうが絶対に得です。学校の小学英語も中学英語も、「文法は難しいから避けて通る」教え方が中心ですから、子供たちはますますわからなくなって英語が嫌いになっています。文法はわかりやすく教えることができます。話は脱線しますが、今はなんらかの形で英語を習っている小学生が多いのですが、書くことや文法をやらない英会話では「ならいごと」で終わってしまいます。親のミエで習わせてるだけですから、何年ならっても身につきません。英文のはじめは大文字のきまりも教えてくれないのですから(笑)。
それじゃあ、どうすれば生徒の英語力を高めることができるんですか。
2011年度に日本の小学英語が必修化になったのですが、その時すでに韓国に遅れること14年、 中国と台湾に遅れること10年でした。いろいろな数値を見ても日本の生徒の英語力はずっと劣っているのです。 何とかしなければと思っていたとき、アメリカのハーバード大学では社会貢献のためにネットを使って授業を無料 公開していることを知りました。「これだ!」と思って英語セミナーでもハーバード大学のマネをすることにしました。 わが社の理念は『We are you.』で、簡単に言えば社会貢献です。 社会貢献ではハーバード大学には負けません(笑)。 日本は少子高齢化がすすみ人口が減少しています。 少なくなる生徒の英語力を高めなければなりません。 親の経済力によって子供が勉強できないのは間違いです。 これを解消するためにわが社では 名門英語専門塾の動画英語授業「楽英」を作成しています。 スマホ・タブレット・パソコンで誰でもどこでもいつでも英語を学べます。 この授業の目的は「英語落ちこぼれ」を出さないことです。 中1の二学期の「3単現のS」で日本の生徒は3人のうち2人が 「英語落ちこぼれ」になっています。 英語は階段のような科目ですから、ここで落ちこぼれると悲惨です。 幸いなことに「楽英」はYouTubeなので、前の単元も見れ、今の単元の 巻き戻しも一時停止も自由です。ネット時代の英語勉強法です。 今は英語セミナーでもいちばん暇な私が出演していますが、だんだん若い先生たちに変わります。 小学英語講座は女性の先生の予定です。出演希望の方はぜひ入社してください。全国で有名人になれます。
理念は良くても実行するのは難しいと、思いますが…。
まったくその通りです(笑)。理想を言うのは簡単ですが、実行するのは本当に難しいです。しかし、理念は組織では一番大切なものですから実行しなければなりません。英語セミナーではこの理念を実行するために英語セミナーの原則と徹底方法を作っています。これは「We are you.」理念を実行しやすくするために、私が折にふれて気がついたことを書いているものです。仕組みとして勉強会で確認したり、毎日の日報でクルーがお互いに説明したりして不断の努力を継続しています。我社のクルーの規律がしっかりしていると評価する人が多いのはこれで価値観を統一しているのが理由の一つです。
これから入社する人のために、待遇や社風のようなものを説明してください。
応募は始めにホームページの求人エントリーからエントリーしてください。教師の先生の満足度が高いと生徒の満足度も高くなります。そのために先生には年3回の大型休暇があります。GW休みが約10連休・お盆休みが約10連休・お正月休みが5連休です。英語の先生には海外経験が必須なので、一泊1万円の海外旅行手当もあります。産前産後休暇や育児休業や介護休業などの大企業と同じ6つの法定休暇も完備です。差別化でオンリーワン戦略を徹底しているので経営内容もよく、お給料もよいほうです。ブラックと反対のホワイト企業で「日本で一番働きやすい名門英語塾」を自負しています。英語だけなので予習負担が少なく、とても楽です(笑)。その分をいい授業で生徒にお返しします。社風は明るく楽しくおもしろいです。社内では情報共有しているので風通しもよく、規律がしっかりしているのでやることも明確になっています。なお、全員禁煙です。実は、私はものすごいヘビースモーカーだったんですが、進化論で有名なガラパゴス諸島に旅行に行ってスパッと禁煙しました。この島のルールは3つ。(1)ゴミは持ち帰る(自然保護のため)(2)トイレットペーパーは水に流さない(海を汚さないため)(3)タバコ禁止(空気を汚さないため)。太平洋の絶海の孤島で空気を汚すからタバコはダメの理念に感動して禁煙しました。それまではタバコの箱に「あなたの体に悪い」などと書いてあっても大きなお世話だと思っていたのですが(笑)。禁煙は強い意思があれば実行できます。禁煙したらお金が貯まって健康にもなり、ついに南極大陸にも上陸しました。世界6大陸制覇です。
これから入社する人にはどんな人を希望しますか。
IT力と英語力のある人です。インターネットで英語授業を展開していますから、IT力のある人を希望します。入社してからもIT資格に挑戦しています。IT力量が高いとお給料も高くなります。IT力と英語力は入社時のテストで判定します。職種には英語専任講師(正社員)と英語時間講師があります。英語時間講師は授業担当中心ですから、英語力の比重がたかくなります。社内公募制度がありますから、英語時間講師から英語専任講師(正社員)に応募することもできます。チームを組んで仲よく運営しますから、英語セミナーの価値観を共有できる人を希望します。素直な性格・失敗体験・苦労体験・高い社会貢献意識なら価値観を共有できます。英語セミナーの価値観をあらわす「鉄腕アトム経営宣言」・「社歌 英語セミナー」・「英語セミナーの教師は」・「英語セミナーの原則と徹底方法」をこの下に載せていますので参考にしてください。我社ではWe are you 理念で力強く社会貢献するために、ランチェスター戦略で狭い地域に集中して校舎を展開しますから、単身赴任もありません。英語専任講師(正社員)には独立支援制度があります。近年、日本の国力も生徒の英語力も下降傾向にあるのは非常に残念です。英語セミナー本体は鉄腕アトムのように小さい体で十万馬力の強い会社をめざします。むやみな拡大路線はとりません。屏風と組織は広げると必ず倒れるからです。その代わり多くのクルーが独立して全国各地で立ち上がってたくさんの鉄腕アトムを作ってほしいのです。そして日本の国をもう一度強くしなければなりません。わたしたちは生徒・保護者がなんの疑いもなく「先生」と呼んでくれる聖なる職業です。わたしたちはこの呼びかけに全身で応えるのが喜びです。一度しかない人生ならばわたしたちクルーの一員となり、物心ともにいい人生を歩んでほしいとおもいます。
最後になりますが、座右の銘があったら聞きたいのですが…。
座右の銘というようなすごいものはないのですが、好きな言葉ならあります。それはダーウィンが進化論で述べたこの言葉です。
「この世に生き残る生物は、最も強いものか?そうではない。
最も頭のいいものか?そうではない。
それは変化に対応できる生物だ。」
今まで地球上にはたくさんの生物が出現してきたのですが、変化に対応できなくて滅んできました。会社という組織も同じです。英語セミナーは鉄腕アトムのように、いつまでも変化しつづける少年のままでいたいですね(笑)。